医療保健福祉審議会(老人保健福祉部会)(H10.5.18更新)
5月11日に実施された第9回医療保険福祉審議会老人保健福祉部会では、特定疾病と居宅サービス事業者の指定基準について審議された。
特定疾病については、平成9年2月以降「要介護認定における特定疾病に関する研究会」で検討を重ねてきており、特定疾患治療研究事業対象疾患を含む具体的な15の候補疾病群が発表された。
介護保険法において、特定疾病は「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの」と定義されており、保険給付は40歳以上65歳未満の第2号被保険者が特定疾病を原因とする身体上又は精神上の障害によって要介護状態又は要支援状態となっている場合に行われるとされている。
具体的には、市町村が行う要介護認定又は要支援認定によって、第2号被保険者が要介護状態又は要支援状態にあること、またその原因となっている疾病が特定疾病であると認められることが介護保険の給付を受ける要件となっている。
この特定疾病の指定は、正式には関係審議会における議論を踏まえ、諮問・答申の後、政令として発表される。
翌日の新聞各紙では、特定疾病に関して大きく取り上げられていたが、審議会ではもう一つの議題「居宅介護支援事業者及び居宅介護サービス事業者に関する人員基準及び設備基準の基本的考え方と指定基準の概要(案)」についても審議された。
○ 訪問介護(ホームヘルプサービス)・通所介護(デイサービス)
訪問介護(ホームヘルプサービス)や通所介護(デイサービス)などは、老人福祉法上、届出等の事業規制があるが、法律上、人員基準等の定めはない。事業実施や委託する際には「老人ホームヘルプサービス事業運営要綱」や「老人デイサービス運営事業実施要綱」が基準となっている。介護保険では、この基準を基に、必要な検討を加えて人員基準等を定めることとされている。
(案)を見ると、訪問介護では員数で常勤換算2.5人以上の配置やサービス提供責任者を置くことなどが新たに求められている。通所介護では、現在の5類型に検討を加え共通化を図る方向である。(案)では生活指導員、介護職員、看護職員各1名をずつを専従とし、生活指導員または介護職員のうち1名以上を常勤とすることや常勤の管理者を1名置くこととされている(兼務可)。
○ 通所リハビリテーション(デイケア)
通所リハビリテーション(デイケア)では、「老人診療報酬」に基づく各々の施設基準として老人デイケアの施設基準が設けられている。介護保険では、これらの基準を基に、必要な検討を加えて定めることとされている。(案)では、現在の老人保健法による老人保健課長通知等の基準に加え、病院の場合は、新たに介護職員を実情に応じた適当数を求めている。設備基準としては、現行の患者1人当たりを要介護者等1人当たりや老人デイケアを通所リハビリテーションと書き換えているにとどまっている。
○ 訪問看護
訪問看護については、「指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」を基に必要な検討を加えることとされている。(案)では、管理者を含め、常勤換算で2.5名以上の配置、うち1名は常勤とする。
など人員基準や設備基準は現行の指定基準をおおかた踏襲し、今後新たな部分は運営基準や介護報酬で対応するようである。
次回の審議会は、5月25日に介護給付部会と併せて開催される。
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