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介護保険との統合 〜 支援費のゆくえ 〜 (2004.7.22更新)

 6月中旬、社会保障審議会障害者部会において、障害者等への支援費制度と介護保険制度の統合について、関係9団体からの意見聴衆が行われた。
 統合への消極的な意見として、日本身体障害者団体連合は、障害者の生活と福祉の後退を招くおそれがあるため強く反対するという姿勢を示し、統合までに解決すべき多くの課題があることから関係機関が協議する考えを示した。
 日本盲人会連合は、ガイドヘルパーが利用しにくい現状から、まず支援費制度の改善を図るよう要望し、介護保険との統合については明言を避けた。全日本ろうあ連盟は、介護保険、支援費の両制度の問題を整理し、改善を図ることが先決であり、結論を急ぐことに賛成できないという姿勢を示した。全国脊髄損傷連合会は、支援費制度は発足1年あまりで変更することは拙速であり、今後3〜5年の検討期間が必要であるという考えから、現行制度をより発展させるべきとの考えを示した。日本障害者協議会は、現時点で統合に賛成できる材料がなく、引き続き賛否の判断ができるような材料の提供を政府に求めた。DPI日本会議は、支援費の財源確保のために他の制度に統合するのではなく、どのような福祉理念、福祉社会を想定して、障害者福祉を位置づけるのかを明確にしなければ、十分な支援が受けられない 恐れがあるとして制度の統合へは明確に反対をした。
 これら6団体は、反対もしくは現行制度の改善や更なる検討が必要としている。 こうした意見に対して、全日本手をつなぐ育成会は、知的障害者福祉の安定と発展のためには介護保険との統合は必然であるとの賛成する一方でケアマネジメントの制度化、要介護認定基準の見直しなど現行の課題を解決すべきであるとの考えを示した。全国精神障害者家族会連合会は、安定的な財源の確保という極めて現実的なことから介護保険との制度統合は選択肢の一つとして考える必要があるとの意見を示した。また全国精神障害者社会復帰施設協会も精神障害者の社会復帰施設の新たな安定財源確保を図るために、介護保険の導入が大きな選択肢であるとの考えを示した。 これらの意見を踏まえ、6月25日の社会保障審議会障害者部会の中間的なとりまとめ案では、介護保険ですべての障害者サービス等を担うのではなく、介護保険とそれ以外の障害者サービス等とを組み合わせ、総合的な支援体制を整備する必要がある。また、関係者から出されている課題や懸念への十分な検討、統合の賛否を判断する材料の提供などを前提とし、現実的な選択肢の一つとして広く国民の間で議論されるべきであるとし、具体的な結論を先送りしている。
  いずれにせよ、制度維持を図るためにも、安定的な財源確保が必要であり、その一つの選択肢として、支援費との統合は視野に入っているのではないだろうか。


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