改正介護保険法が可決成立
(2005.7.3更新)
去る6月22日、「介護保険法等の一部を改正する法律」が今通常国会で可決成立した。
いよいよ介護報酬を含め各検討事項の細部の詰めに入ることになる。介護報酬の改定のおおまかなスケジュールでは、6月から17年10月の介護報酬改定事項の検討を開始する。7月中旬頃にその内容を諮問・答申を経て10月には改定事項を施行する。一方、18年4月の介護報酬改定事項については、年内まで予防給付の見直し、地域密着型サービス等それぞれの事項を検討し、18年1月ごろに諮問・答申という流れである。
6月20日に行われた「第23回介護給付費分科会」では、居住費を保険給付の対象外とすること及び基本食事サービス費の廃止にともなう介護報酬の見直しが審議された。
居住費を保険給付の対象外
見直し案では、介護保険三施設の施設介護サービス費については「居住に要する費用」を除いた報酬水準として設定するものとして、三施設それぞれについて(1)ユニット型個室、(2)ユニット型準個室、(3)従来型個室、(4)多床室の4類型を設けることが示された。それぞれの「居住に要する費用」の範囲・水準については現在集計中の介護事業経営概況調査の中から居住費用のみを集計するなどを根拠に、その居住環境の違いを考慮し、(1)ユニット型個室:室料+光熱水費相当として1人月額6万円、(2)ユニット型準個室:室料+光熱水費相当として1人月額5万円、(3)従来型個室:室料+光熱水費相当として1人月額5万円、(4)多床室:光熱水費相当として1人月額1万円が適当ではないかという案が示されている。
同様に短期入所サービス費においても「滞在に要する費用」を除いて報酬水準を設定する。考え方としては、同じ4類型の施設サービス費を利用日数の日割りで算定することになるようである。
基本食事サービス費の廃止
今回の改定では、従来の基本食事サービス費(1日につき2,120円、本人の標準負担額は1日780円)を廃止し、食材料費及び調理コストは利用者負担とすることが示されている。しかし現時点では廃止の方向性が示されただけで、その適正価格については今後の検討となっている。
また、栄養管理については、引き続き保険給付の対象とするが、評価のあり方を見直すこととなっている。従来の2120円に栄養管理料、食材費、調理費などが含まれていることから推察し、また現行のグループホームなどの食材費などを参考にすると、1日1,000〜1,300円程度の自己負担になるのではないかと思われる。
在宅と施設のサービスの不均衡を是正するための改正であるが、施設入所者にとっては居住費が約5万円、食材費が約3〜4万円(現行でも約24,000円)以上で実質1万円程度の負担となり、月額7万円前後の負担増となりそうだ。
いずれにせよ、介護保険財源の安定を図るため、保険給給付から自己負担へという方向は今後もさらに進むことだけは間違いない。
All Rights Reserved
Copyright (C) 1997-2005 MATURE LIFE Inc.
|