予防給付について検討はじまる
(2005.8.4更新)
去る7月28日、社会保障審議会「介護給付費分科会」の介護予防ワーキングチーム(WT)の第1回目が開催された。
そこに示された国の介護予防の考え方は、「介護予防サービス」についてサービス事業者に支払う介護報酬は、月単位の定額払いにする方向である。
周知のように「新予防給付」は現行の要支援及び要介護1のうち70%ほどにあたる「軽度」で状態の改善の可能性の高い人を対象に、要支援1並びに要支援2として、運動機能の向上、栄養改善、口腔ケアなどを新たに盛り込むものである。
「軽度」の高齢者を対象者に提供するこのようなサービスは、サービス内容がある程度共通していることから、時間数の出来高ではなく定額払いが適当であり、また給付費の伸びを抑えることも可能との判断をしたようである。
さらにインセンティブとして、対象者の維持改善が図られた目標を達成した場合には、サービス事業者の報酬を高くすることも検討するとしている。
その新介護予防を行うには、これまでの現行サービス事業者を前提に制度更新を考えているおり、既存の事業者も出来るが、そのまま「みなし」で認めるのではなく新たな申請を必要とする。細かい人員、運営基準や介護報酬は今後WT等で審議され次年度1月ごろに最終案が示されるとのことである。
ただ事業者のとっては、準備期間が短いことから1月までの間情報の収集に努め平行して介護予防に対する準備を進める必要がある。
また、一部で動きのある新介護予防のための「介護予防運動指導員」等の資格については、筋力トレーニングなどをするための新たな職種は設けないし、これまでの国家資格者等でやれるようにするとの方向である。さらには筋力トレーニングのように個別に介護報酬で評価することはないと説明している。
その他、地域支援事業となる介護予防事業は市町村が実施主体となるため、国で指定要件を定めるものではなく、一定のマニュアルを示すかもしれないが、その委託は市町村が責任を持ち、人員や設備等その事業を行うのに適当と認める事業者へ委託することとなる。
このように10月から先行実施される施設の報酬改定が見えたことから、これから秋口にかけて、集中して審議が行われることとなる。
特に介護予防に関しては、今後数回のワーキングを小刻みに開催し、8月末までに報告をまとめる予定であるとのことであるが、事業者にとってはWTの審議経過を注視しながら並行して事業化の準備をしていく「夏の陣」が始まる。
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